不当解雇の弁護士コラム

不当解雇を会社と争うと再就職に不利になる?不当解雇~再就職までの流れ

2020年07月08日
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不当解雇を会社と争うと再就職に不利になる?不当解雇~再就職までの流れ

不当な解雇は労働者にとって重大な問題であるものの、「会社と争うと再就職において不利になるのでは?」と心配する方もいらっしゃるでしょう。

そこで本コラムでは、多くの方が抱える不当解雇と再就職に関する疑問について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

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1、不当解雇で会社と争うと、再就職は不利?

まずは、不当解雇の意味と解雇の種類について確認していきましょう。

  1. (1)不当解雇とは

    不当解雇とは、労働基準法や労働契約法などの法律で定められている要件を守らずに会社が労働者を解雇することです。

    解雇には普通解雇と、懲戒処分として行われる懲戒解雇があり、それぞれ有効に行うためには、法律上定められた要件を満たす必要があります。
    法律上の要件を満たしていなければ、解雇は無効です。
    法律上、(懲戒)解雇は、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当でなければならないとされています(労働契約法第15条・第16条)。

  2. (2)不当解雇の争い方

    不当解雇などの労働事件は、基本的に以下のような方法で解決を図ります。

    ・会社との交渉
    会社との話し合いによる解決を目指す

    ・労働審判
    原則3回の審判期日で、労働審判官1名と労働審判員2名が審理を行う

    ・裁判
    民事訴訟による解決を行う

    最も解決までの期間が長くなるのが裁判です。

    労働審判は、原則3回の期日で終了することになっており、迅速な解決を目的としていますが、労働審判で解決しなかった場合には、結局、裁判に移行することになります(以下、労働審判と裁判をあわせて「裁判上の手続」ともいいます)。

  3. (3)不当解雇で請求するべき2つのポイント

    不当解雇の場合、上記の解決手段を通して、通常、以下の2つを請求することになります。

    • 地位確認請求
    • 解雇期間中の賃金請求(バックペイ)


    ①地位確認請求
    地位確認請求とは、「解雇は無効であり、自分は継続して会社に勤めている」と主張することです。この主張の性質上、退職に合意したとみなされる退職届などへの署名は、避けなくてはなりません。

    退職届に署名をしてしまうと、解雇を承諾したなどとして、「解雇は不当である」という主張ができなくなってしまう可能性があります。
    そのため、不当解雇を争うときは、退職届を出してしまうなど、解雇を承諾したとみられるような行動は控え解雇を言い渡された時点ですぐに弁護士に相談し、今後の動きについて確認しておくことが大切です。

    ②解雇期間中の賃金請求(バックペイ)
    解雇が無効とされると、解雇時から現在までの賃金を請求することができます。
    この賃金を「バックペイ」と呼び、不当解雇を争うときは、基本的に、解雇の無効の確認とバックペイの支払を求めることになります。

    また、不当な目的での解雇であることが明らかな場合など、解雇が民法上の不法行為となるような場合には、上記に加えて慰謝料の支払を求めていくことになります。

  4. (4)会社と争うと再就職は不利?

    会社と争った後に就職することを考えると、「前の会社と争っていたことが就職希望先に伝わると選考で不利になるのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

    しかし、不当な解雇を争うことは正当な行為ですので、そのことを理由として不利益に取り扱うべきでないことは、通常、採用する側も分かっているはずです。

    また、不当解雇の紛争に弁護士が介入した場合には、紛争解決時に、会社との間で、「本件について口外しない」というような合意を取り付けておくのが通常です。
    会社側に、会社との紛争についての口外を禁止できれば、就職希望先への情報漏えいも防げるでしょう。

    なお、このような合意を取り付けたいときは、弁護士への依頼が有効です。
    弁護士が代理人としての交渉を行い、内容に漏れのない合意書の作成を行うことで、紛争解決後の生活にも配慮することができます。

2、不当解雇を争っている間の生活について

不当解雇を争っていくにあたり、大きな不安となるのが「今後の生活」です。
会社と争っている間も、生活にはお金がかかります。働かないと収入がなくなるので、争いが解決するまでの間も働きたい方もいらっしゃるでしょう。

この章では、不当解雇を争っている間の生活について見ていきます。

  1. (1)不当解雇を争っているときに、別の会社に再就職できる?

    会社と争っている間の再就職は、以下の2点がポイントになります。

    • 「解雇は無効だ」と争っている場合、法的には、労働者は、「自分は会社に在籍している」と主張していることになる。
    • 通常、とある会社に正社員として勤めている人が、別の会社で正社員として勤めることはできない(労働時間が十分に確保できないため)。


    したがって、不当解雇を争って現在の会社の従業員であることを主張しているにもかかわらず、別の会社に勤めるということは、矛盾した行動をとっていると見られる側面があることになります。

    不当解雇を争っている間、別の会社の正社員として就職をしてしまうとそれだけで直ちに解雇が有効になってしまうことにはならないでしょうが、生活のためにどうしても収入を得たい場合は、パート・アルバイトといった形態で就職する方が望ましいです。

    不当解雇を争っている最中に何らかの形で収入を得ると、バックペイが減額されるおそれがあります。
    減額の割合は個別の状況によって一概には言えませんが、最大で4割程度の減額が行われる可能性があると考えておくべきでしょう(労働基準法第26条参照)。

  2. (2)弁護士に代理を依頼することで、私生活への影響を最小限に抑えられる

    不当解雇を争う場合には、労働トラブルの解決実績を豊富に持つ弁護士に依頼することをおすすめします。

    会社との交渉や裁判上の手続を進めていくにあたって、労働関係の法令などの知見が深い弁護士のサポートが得られれば、できる限りの範囲で、私生活への影響が抑えられるよう、対処してもらえるでしょう。

3、不当解雇ではなく自主退職を促すケースも

「解雇する」と通告することは、会社にとっても、労働者から不当解雇を主張されるリスクを伴います。そのリスクを解消するために、「解雇を行う」のではなく「自主退職を促す」ケースも珍しくありません。

  1. (1)自主退職を促す理由

    会社が労働者に対して、自主的な退職を促すことを「退職勧奨」といいます。
    ある程度労働者に有利な条件を提示して自主退職を促すケースもありますが、なかには「自主退職しないなら解雇処分にする」と圧力をかける悪質なケースも存在しています。

    以下のようなことが、自主退職を促す理由として考えられるでしょう。

    • 一方的な解雇では不当解雇を主張されるおそれがあるため
    • 労働審判や裁判で不当解雇と認められた場合はバックペイの支払義務が発生するため
    • 労働者が退職勧奨により退職届に署名をしてくれれば会社に有利な証拠となり、労働者から不当解雇を主張されたり、解雇が無効とされたりするリスクが減るため
  2. (2)自主退職を促された場合

    退職勧奨を受けても、ご自身に退職の意思がない場合は退職届を提出するべきではありません。

    たとえ「自主退職しないなら解雇する」といわれても応じるべきではなく、むしろ威圧的な退職勧奨を受けた証拠として録音などをしておく方が賢明でしょう。
    労働者が退職しない意思を明示しても、退職勧奨が続けられていれば、退職を「強要」するものであるとして、損害賠償請求が可能になることもあります。

    退職勧奨を受けた回数、会社側の発言の内容や文書などを残しておいて、証拠として活用できるように準備を進めておきましょう。

    強硬な退職勧奨を受けた場合は、弁護士への相談がおすすめです。
    今後の対応策についてアドバイスを受けることができますし、代理人として弁護士が会社に警告することで退職勧奨をやめさせることも期待できるでしょう。

    そのほか、労働関係のトラブルとして、未払いの残業代や解雇予告手当の請求などができることもあるため、まずは弁護士に相談してみてください。

    退職勧奨をされた場合の対処法については、詳しくは以下のコラムで解説しています。
    >退職勧奨されたら、どのように対応すれば良い!? 弁護士が解説

4、不当解雇をされそうなときの相談は弁護士へ

不当解雇をされそうなときは、すぐに弁護士に相談して対処してもらいましょう。

弁護士に依頼することで、不当解雇が認められる可能性の有無や今後の対処方法などを詳しく知ることができます。
会社と争った結果、不当解雇であることが認められれば、会社に対し、解雇時から現在までの賃金(バックペイ)を請求することや、場合によっては慰謝料などを請求することも可能です。

不当解雇の撤回を個人の力だけで会社に対し求めていくことは非常に難しいので、弁護士に一任して解決を目指す方が賢明でしょう。

弁護士を選任して代理人とすることで、会社との交渉、証拠収集、労働審判や裁判への対応などもすべて任せられるため、難しい問題についてご自身で対処する必要がなくなります。
まずは弁護士に相談してみてください。

5、まとめ

不当解雇を受けてしまうと、再就職にも不安があるかと思います。
会社と争うとしても、その期間の生活をどうやって維持するのかということも気になるところでしょう。

そのため、まずは弁護士に相談をした上、不当解雇への対処においては、会社との交渉や裁判上の手続などを滞りなくスピーディーに進めていく必要があります。

不当解雇をはじめとした労働トラブルにお悩みなら、労働問題に関する知見を豊富に有するベリーベスト法律事務所にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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